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第56回 国連女性の地位委員会 参加報告(2012年2月26日~3月4日)

 国連社会経済委員会(ECOSOC)のNGO協議資格を有するKFAWは、国内外のNGOとの情報交換やKFAWの研究成果を発表するため、毎年ニューヨークの国連本部で開催される女性の地位委員会(CSW)に参加しています。今回のCSW56(2012年2月28日~3月8日)では、当財団主催のパラレルイベントを開催し、「日本の農村女性のエンパワーメントー経済のグローバル化と東日本大震災の影響下で」について世界に情報発信してきました。


2月26日 ニューヨーク到着。NGO Consultation に参加しました。
2月28日 8:30~10:00 国連チャーチセンター(以下CC)
 APWW(アジア太平洋女性監視機構)主催の”Gender and Disaster in Asia and Pacific” (アジア・太平洋地域における災害とジェンダー) に出席し、各国の災害とジェンダーについての対応を聞きました。
10:30 ~ 12:00 CC
 アメリカ大学女性協会主催の”Rural Women of America”(アメリカの農村女性) に参加し、アメリカの小農の方々の状況を興味深く聞きました。
3月1日 12:30 ~ 13:00 CC
 農山漁村女性活動・生活協会主催の”Women’s Roles in Food Security and Sustainable Development : Partnership Between Rural and Urban Women”(食の安全と持続可能な開発における女性の役割:都市と農村の女性の結びつき) を少しのぞきました。
13:15 ~ 14:45 国連ローンビル
 3つの日本のNGO連合体主催のサイドイベントに参加。”Disaster/Reconstruction and Gender Equality”(災害・復興と男女共同参画)のテーマの下、90人が参加する素晴らしい内容のイベントでした。震災の翌日ヘリをチャーターして現地入りした、国境なき医師団の黒崎伸子氏ほか7人が発表。東日本大震災、原発事故に直面して、災害克服とジェンダー平等の視点は、各国からの関心が集中していました。政府からも10人近い参加があったようです。今回のCSWで、日本政府は56回の歴史上初めて、日本からの決議提案をされたということで、この背景には、昨年の6.11シンポジウム以来の日本の女性団体・研究者などの総力の結集と、その後のロビーイングの成果だと思います。
15:00 ~
 MENA地域(中東・北アフリカ)の農村女性の課題についてのパラレルイベントに参加しました。家父長制や土地所有のジェンダー不平等、性器切除などの問題提起が行われました。
3月2日 12:30 ~ 14:00 CC Drew Room
 いよいよKFAW主催のパラレルイベント開催です。KFAWのテーマは「日本の農村女性のエンパワーメントー経済のグローバル化と東日本大震災の影響下で」。 参加者を心配しましたが徐々に増え始め、部屋の席がほぼ埋まりました。
CSW56.2012.03.02.JPG まず篠﨑から、日本の農業における2つの新局面としてTPP問題の浮上と大震災・原発被害を説明しました。どちらも日本の農業や食料・生命の安全性を揺るがしかねない事態であることを説明しました。また、それ以前に、すでに日本の農業生産額の半減、担い手(特に女性)の高齢化と減少、耕作放棄地増加など、持続可能性が脅かされていることを説明し、農山漁村女性の経済的地位や意思決定過程への参画の低さを示しました。
 これらに対して、特に女性の地位向上に関して政策的対応の簡単な歴史を説明しました。なかでも1992年に農林水産省が示した「農山漁村の女性に関する中長期ビジョン」の中で、農業女性が「個」として尊重されるべきと宣言したことや、新農業基本法の26条にある女性の平等な経営参加、そのツールとして家族経営協定の一定の有効性を述べ、家族経営に関するDVDを映写しました。
 つづいて、KFAW客員研究員の岡部佳世氏(法政大学兼任講師)が、成功した農村女性起業家の事例と全国の女性起業家のアンケート分析結果(KFAW客員研究員研究の成果の一部)を報告しました。
 質疑応答では活発に質問が寄せられ、岡部氏の調査分析も好評でした。
18:00 ~ 20:00
 日本政府代表部でNGOへの木村公使や橋本ヒロ子日本政府代表からのブリーフィングに参加しました。
3月4日 帰国

日本からのNGOは4つのイベントを開催し、情報を発信! KFAWはその1つ!