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KFAWアジア研究者ネットワーク開催セミナー

KFAWアジア研究者ネットワークセミナー 2016年度 第5回(2017年1月24日)
「日本より進んでいる?中国の子育てとイクメン―北京在住ジャーナリストが見る中国社会―」

1.日時 2017年1月24日(火)13:30~15:30
2.場所 北九州市大手町ビル5階 小セミナールーム
3.講師 斎藤淳子(北京在住ライター)
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講演内容

  このセミナーは、新聞やテレビの報道では知ることができない中国の人々の日常生活を知りたいという要望に応えて開催したものです。斎藤淳子氏は、北京で仕事を続けながら2児を育てた実体験を交え中国の子育て状況を報告し、中国では子どもを産んで働くのが当たり前という社会的雰囲気に支えられたとコメントしました。
  そして、こうした仕事と子育てが両立しやすい環境を5つの側面に分けて解説しました。第1点は、共働きを前提とした職場環境や労働法などが1950年代から定着している点です。父親の育児「参加」ではなく、夫婦で一緒に育て、働くのが当たり前という社会が形成されているそうです。
  第2には子ども重視の伝統文化がある点、第3には父親の強いコミットメントがある点を紹介しました。その背後には男性が自分が育つときに共働きの両親を見て育ち、家事を分担する父親像を知っていることや、日本より融通がきく職場での働き方がある点などを指摘しました。そして、第4に中国には祖父母による子育ての伝統があることや、第5に豊富な家政婦サービスなどにより子育てに関与してくれる多くのアクターが存在する点を紹介しました。
  今日の日本は、育児と家庭のバランスのとれた新しいモデルを模索しています。斎藤氏は中国の半世紀にわたる男女共同参画の文化や制度、そして実績には、日本の新しいイメージ作りの材料となる側面も少なくないとしめくくりました。