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国際研修

JICA九州「クロスロード・コミュニケーション」にてJICA研修員の市民交流会を実施しました(2014年6月14日)

1.日時 2014年6月14日(土)17:30~
2.場所 独立行政法人国際協力機構 九州国際センター(JICA九州)
3.参加者 約80名

 (公財)アジア女性交流・研究フォーラム(KFAW)では、毎年、独立行政法人国際協力機構(JICA)九州国際センターの委託を受け、「行政官のためのジェンダー主流化政策」として、開発途上国のジェンダー主流化を担当する中央政府及び地方政府の行政官を対象に研修を実施しています。

 今年は、7カ国(カンボジア、ガーナ、モルディブ、ミャンマー、ネパール、ナイジェリア、ソロモン)から8名の研修員を受け入れ、2014年5月26日から約1カ月の予定で研修を実施しています。

 6月14日(土)には、一般市民の皆さんとの市民交流を目的とし、JICA九州で毎月開催されているイベント「クロスロード・コミュニケーション」にてJICA研修員の市民交流会を実施しました。このようにJICAと共催で研修員の市民交流会を実施するのは、今回で2回目になります。


 今回は、「どうなってるの世界の男女平等?~行政官からの世界レポート~」と題して研修員が講師となり、市民の皆さんとの交流イベントを行いました。当日は、80名近くの幅広い年齢層の方にご参加いただきました。

 第1部「異文化理解セミナー」では、はじめに研修員それぞれから自己紹介を行いました。自己紹介の中では、それぞれの母国語でのあいさつも紹介してもらいました。市民の皆さんも、一緒にあいさつを繰り返してみたり、メモをとったり、熱心に耳を傾けていました。

 その後、研修員がジェンダー主流化の担当者であることから、「(国・地方)議員における男女比は?」「教育に関する問題は?」「”夫は外で働き、妻は家庭を守るべき”という考え方はどのように考えられているか?」などの質問をなげかけて、それぞれの国の事情を話してもらい、日本の状況と比較しながら、参加者の皆さんと一緒に社会生活の中で男女不平等になっていることについて考える機会としました。

 ”夫は外で働き、妻は家庭を守るべき”という考え方については、参加者の皆さんの中でも意見が分かれ、高度経済成長期に子育てをされていた世代の方と、現在の高校生のご両親世代ではその考え方、状況が変化していることがわかりました。研修員の国では、まだ”夫は外で働き、妻は家庭を守るべき”という考え方が根強い傾向にあるようでした。その理由として、女性が外に働きに行って夫以外の男性の目にさらされるのを夫が嫌がる、女性が力をつけて男性を超えていくことを嫌がる、などがあげられていました。また、その延長として、男性は将来働いて家計を支え、女性は主婦として家庭を支えるのだから、という理由で、女子への教育(特に高等教育)が軽視される傾向もあるとのことでした。それでも、都市部では状況が少しずつ変化しており、女性が外に働きに行ったり、男性が家事を手伝ったりするようになってきている、という国が複数ありました。

 このように、かつて日本が歩んできた男女平等への道のりを、研修員の母国も着実に進んできていることがわかり、参加者の方からは、「日本がかけてきた時間に比べてもっと短期間に達成できることを期待します」というコメントもいただきました。


Seminar_20140614-4.JPG 第2部「国際交流パーティー」では、会場を食堂へ移動し、食事をしながら研修員と市民の皆さんとで自由に会話を楽しんでいただきました。参加者の皆さんは、普段なかなか接することのない国々から来た研修員と英語で会話し、1部では聞けなかった各国の事情などを熱心に聞いておられました。

 このイベントは、一般市民の皆さんと一緒にジェンダーについて考える機会の場を提供すると同時に、開発途上国の行例官と日本の一般市民との国際交流の場として、情報を共有する貴重な時間となりました。