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第62回 国連女性の地位委員会(CSW62)帰国報告会(2018年6月14日)

1.日時 2018年6月14日(木) 18:30~20:00
2.場所 北九州市立男女共同参画センター・ムーブ 5階
小セミナールーム
3.プログラム 1. 「CSW62について」 堀内光子(KFAW理事長)
2. 「NGOの参加・サイドイベント報告」 織田由紀子(JAWW(日本女性監視機構)副代表)
4. 参加者 39名

   (公財)アジア女性交流・研究フォーラムは、国連経済社会理事会(ECOSOC)より与えられた協議資格に基づき、毎年、国連女性の地位委員会(CSW=Commission on the Status of Women)に参加しています。
今回の報告会では、まず堀内理事長から国連女性の地位委員会(CSW62)についての説明がありました。


CSW62について

国連の女性の地位委員会(CSW)ほど人が集まる委員会はまずありません。国連の本体の会議に併せて、国際機関、NGOや政府が一緒になって300ものサイドイベントを開催しています。NGOが独自に行っているパラレルイベントの数も500位あります。12日間の会期中これらのイベントを聞きに行くだけでもたくさんの知識が得られる内容になっています。


Seminar_20170614_1.jpg    

まず今回のCSWの特徴の1つは、日本でも政府高官のセクハラ発言などで知られるようになりましたが、アメリカ・ハリウッドを中心に#MeToo運動が盛り上がっており、国連でも非常に大きな影響があったことです。セクハラや女性に対する暴力へ焦点が当てられ、人々が共有している深刻な問題として取り扱われました。また、2つ目は、今年の優先テーマが農山漁村の女性と女児だったこともあり2016年から実施され、まる2年が経過したSDGs(持続可能な開発目標)の「誰一人取り残さない」という理念へのコミットメントに注目が集まったことです。3つ目は、新しい国連事務総長の存在がとても印象的だったことです。ジェンダー問題に関心も高く、国連難民弁務官も務められ、自らフェミニストと名乗り、CSWにも積極的に参加し、ジェンダー平等タスクフォースを設置し、国連幹部ポストの男女平等を達成しました。また4つ目は、若い世代への国の代表団への参加が奨励されたことです。今年は、ジェンダー平等についてますます国連が強いコミットを持って取り組んでいることがわかる会合でした。


今年のCSWの優先テーマは「農山漁村女性・少女のジェンダー平等とエンパワーメント達成のための課題と機会」で、これが中心テーマでした。


Seminar_20180614_2.jpg 世界の農山漁村の女性の現状
農業労働者の60%を女性が占め、かなりの部分を女性が担っています。特に開発途上国では農業が最も重要な就業部門であるにもかかわらず、社会保護や労働に関する権利がなく法律の手が届かないインフォーマルセクターになっています。大きな課題は土地の権利を持っている女性が非常に少ないことです。また、保健に携わる人たちの介添えによる出産は38%以下で、安全な飲み水のアクセスも低いままです。児童婚の割合が高く、その割合は都市部に比べ2倍、また識字率も低く、その割合は都会に比べると半分です。インターネットにアクセスできる人も非常に少ない状況です。


それでは農山漁村の女性や女児をエンパワーメントするにはどうしたらいいのでしょうか。必要なこととして、ディーセントワークと社会保障、教育訓練、持続可能なエネルギー・技術、清潔な水、暴力や有害な慣行の撤廃、女性を意思決定に含めること、気候に対するレジリエンス(元に戻す力)の増大などが紹介されました。


この優先テーマの合意結論の柱は以下の3つがあり、これらを元に合意文書ができました。
1.規範的・法的枠組みの強化、法律の強化
2.すべての農山漁村女性・少女のエンパワーメントのための経済・社会政策の実施
3.すべての農山漁村女性・少女たちの声、リーダーシップおよび意思決定の強化
政府、国連機関、国際機関にこのようなアクションを取ることが要請されるとともに、市民社会組織に対しても呼びかけが行われました。


この他、レビューテーマとして「メディア、情報、コミュニケーション技術(ICT)への女性の参加とアクセス及び女性の地位向上とエンパワーメントのための活用とインパクト」(2003年の合意結論をレビューするもの)についても議論され、メディアとICT技術の利用が強調されていたので、今後の大きな課題となるでしょう。


来年の優先テーマは「ジェンダー平等及び女性・少女のエンパワーメントのための社会保護制度、公的サービス及び持続可能なインフラストラクチャー」、そしてレビューテーマは「女性のエンパワーメントと持続可能な開発(SD)とのリンク」です。


続いて、NGO、JAWW(日本女性監視機構)副代表の織田由紀子さんより、サイドイベント「農山漁村地域の女性と少女のエンパワーメントにむけての活動」について発表がありました。


CSW62:NGOの参加・サイドイベント報告

1.CSWへのNGOの参加
NGO(市民社会組織)はCSWで何をするのでしょうか。CSWは3月に開催されますが、それよりかなり早い10月には意見書を提出することができます。また合意結論の原案(ゼロドラフト)が2月の始めに示されますが、これに対して意見を表明することができます。この他にも、政府間会議をオブザーバーとして傍聴したり、サイドイベントやパラレルイベントに参加することができます。NGOとしてはCSWに参加して多くのことができるので、今年のテーマが何で、どんな課題があって、NGOとしてどんな主張をしたいのかをはっきりさせることがとても大切です。


2.サイドイベントの実施
サイドイベントは国連の建物の中で行われるので、誰もが参加しやすく、政府代表団にも聞いてもらえ、決め事に影響を与えやすい、効果的なイベントです。ここ数年は私が所属するJAWW, 国際婦人年連絡会(1975年国際婦人年の年に市川房枝さんが作られた日本で一番大きな女性団体組織)と国連NGO国内女性委員会(歴史の古い女性組織)が共催してイベントを開催しています。


Seminar_20180614_3.jpg

3. CSW62のサイドイベント
今年のテーマは「農山漁村地域の女性と少女のエンパワーメント」だったので、これに近いテーマに決め、3月13日に国連会議室でサイドイベントをすることができ、23カ国から128名の参加がありました。世界では農山漁村の維持・発展に女性たちは大きな役割を果たしていますが、多くの面で不利な状況にあります。事情は違っても途上国も日本のような先進国も女性たちが抱えている問題は似かよったところもあります。いろいろな経験をつき合わせてどういう風に取り組んだら女性たちのエンパワーメントにつながるのか話し合うことを最終目標に据え、4人の素晴らしいスピーカーに来てもらえることになりました。モデレーターは私が務めました。


[4人のスピーカーたち]

日本・結城こずえさん
山形県天童市で果樹栽培、農業に従事。農水省支援の「農業女子」プロジェクトのメンバー。英語の先生をしていたが、自分の故郷に戻って就農することになり職業転換。農業については素人だったので、情報収集のために周りに呼びかけてネットワークを作ったり、JA天童で女性部会を立ち上げたりと奮闘している。


タンザニア・キヴァさん
JICAコメ振興プロジェクトの研修所の教官。農業実習訓練で訓練生を集めるときには男女比を同じにし、男女に関係なくプレゼンテーションを行わせるなど、ジェンダー主流化の推進方法について話しました。


ネパール・シャンタさん
JAWWはアジア太平洋地域ともネットワークがあり、そこのAPWWメンバー。 国全体が良くなることが農村女性の力にもつながると活動。ネパールでは2015年には大統領、国会議長、最高裁判所長官の三権の長を女性が占めました。また憲法が変わり、33%のクォータ制が取り入れられ、多くの女性の参画が可能になりました。


FAO(国連食糧農業機関)・マルタさん
農村女性の地位の向上を考えるなら土地の所有問題が重要であること強調しました。 女性が土地を所有できない慣習法や、女性が男性と平等に土地を相続できない制度などが変わるように支援をしています。


3.日本政府代表団とNGO
CSW日本政府代表団にNGOの代表を入れることはかなり前からされており、2005年以降は毎年行われており、またユースの代表も入れるようになりました。また、NGO参加者のために日本政府国連代表部が1週間に1回ブリーフィングを行い、どういうことが行われているかを説明してくれます。


4.若者の参加と活躍
日本政府代表にユース代表を含めるようになり、CSWも若者の発言の機会を作ることに熱心です。女性団体による若者支援プログラムで、若者をCSWに派遣しており、帰国後日本で活動できるように支援を続けています。CSWに参加し、刺激を受けた若者が日本の活性化につなげてくれることを期待しています。


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