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KFAWアジア研究者ネットワーク開催セミナー

KFAWアジア研究者ネットワークセミナー 2014年度 第1回(2014年4月11日)
第58回 国連女性の地位委員会(CSW58)帰国報告会

1.日時 2014年4月11日(金) 18:30~20:00
2.場所 北九州市立男女共同参画センター・ムーブ 5階
小セミナールーム
3.プログラム 1. CSW58全体説明
2. CSW58サイドイベント「ジェンダー平等と女性のエンパワーメント:災害に強い社会の鍵」
3. 2015年国連防災世界会議@仙台について
4.講師 織田由紀子(北九州サスティナビリティ研究所研究員、前KFAW主席研究員)
二宮正人(北九州市立大学法学部教授)

   (公財)アジア女性交流・研究フォーラムは、国連経済社会理事会(ECOSOC)より与えられた協議資格に基づき、毎年、国連女性の地位委員会(CSW=Commission on the Status of Women)に参加しています。第58回目の開催となる今年は、当財団の参加資格により北九州サスティナビリティ研究所研究員 織田由紀子氏に参加していただきました。


CSWについて

Seminar_20140411-1.jpg  今回の報告会では、まず織田氏から国連女性の地位委員会(CSW)についての説明がありました。1946年に発足したCSWは、国連経済社会理事会(ECOSOC)の機能委員会のひとつであり、2014年現在45カ国が参加しています。毎年2月~3月に国連本部があるニューヨークにて年次総会を開催し、政治・経済・社会・教育分野等における女性の地位向上に関してECOSOCに勧告・報告・提案等を行っています。CSWの年次総会では、公式会議である政府間会議で各国政府の代表が演説を行い優先テーマにおける合意結論に向けて一般討論、パネル討論、ハイレベル円卓会議などの交渉が行われます。政府間会議のほかに、各国や国連機関が主張したいことを公式会議以外の時間に行うサイド・イベントや、国連の敷地外にて主にNGOが開催するパラレル・イベントなども行われます。


Seminar_20140411-2.jpg  続いて織田氏から、今年のCSW58の優先テーマである「女性及び女児に対するミレニアム開発目標(MDGs)の実施における課題及び成果」についての解説がありました。ミレニアム開発目標とは、2000年9月に国連ミレニアム・サミットにて採択されたミレニアム宣言を基にまとめられた、開発分野における国際社会共通の目標であり、2015年を達成期限とし、①極度の貧困と飢餓の撲滅、②初等教育の完全普及の達成、③ジェンダー平等推進と女性の地位向上、④乳幼児死亡率の削減、⑤妊産婦の健康の改善、⑥HIV/エイズ、マラリア、その他の疫病の蔓延の防止、⑦環境の持続可能性確保、⑧開発のためのグローバルなパートナーシップの推進の8つの目標からなっています。また、MDGs後の開発目標であるポスト2015開発アジェンダに、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを主流化するための働きかけも行われました。このポスト2015開発アジェンダは、2012年にリオデジャネイロにて開催されたリオ+20の持続可能な開発目標(SDGs)と統合されることが決まっており、さらに議論が幅広くなることが予想されるため、その中でジェンダー平等と女性のエンパワーメントの課題が注目されるよう喚起することはCSW58における重要な意義の一つでした。

 

 その他、CSW58で行われた様々なイベントとして、開催前日に丸一日かけて行われるコンサルテーションデーや、ボランティアのNGO CSW/NY によって期間中ほぼ毎朝開催される、モーニング・ブリーフィング(CSW58の議長団やUN Womenの幹部らが合意結論における進捗状況を説明する会)などの様子を、臨場感のある写真を交えて解説していただきました。


自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントについて

  続いて北九州市立大学法学部教授の二宮正人氏から、「自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント」というCSW58で日本政府が提出した決議文に関して解説がありました。


  日本政府がこの決議を出したのは、東日本大震災発生時、災害対応における男女のニーズの違いに配慮がなかったことや、また、防災・復興を決める政策方針のプロセスに女性が参画しておらず、災害が起きてから急に男女共同参画の視点で対応するのは難しい、という教訓があったからです。この教訓を世界各国で共有するため、日本政府が2012年のCSW56において、「自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント」を提出したことが契機になりました。日本政府はこの決議の中で、自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメントの問題への各国の対応と、その成果や課題に対して再検討することを国連事務総長に要請しました。


  その後、2013年の国連総会演説にて安倍首相が決議の再提出について言及したことを受け、外務省による共同提案国間の事前調整後、CSW58にて再度決議を提出する運びになりました。この決議に対する共同提案国は最初は23カ国でしたが、最終的に79カ国の賛同を得て、反対意見もなかったため、無投票で2014年3月21日に採択されました。


◆CSW58におけるこの決議の採択までの主な過程

3月11日 石原政府代表による演説
3月18日 23カ国の共同提案国と決議の草案を提出
3月20日 決議に対する議論開始
3月21日 無投票で採択

  約10日間の開催期間中に、優先テーマの合意結論をはじめ複数の議題が議論されるという時間的制約があり、また新たに財政支出をかけられない中、この決議が採択されるためには様々な外交努力が背景にありました。

 

  阪神淡路大震災・東日本大震災での過ちをもう二度と繰り返さないという決意や、平常時にできていないことは緊急時にはなおさらできないことを認識し、普段からジェンダー平等の視点で取り組むこと、経験から得たこの教訓を地方まで浸透させ共有することが決議提案国としての日本の責務であると二宮氏は解説されました。


北京+20にむけて

Seminar_20140411-3.jpg

  最後に次回のCSW59のテーマとして予定されている「北京+20」について織田氏から解説がありました。

 

  北京+20とは、1995年に北京で開催された第4回国連世界女性会議にて採択された北京宣言・行動綱領から、来年2015年に20年目を迎える節目のことであり、これまでの成果の確認やさらなる課題の検証についてのキックオフがCSW58で行われました。

 

  女性の地位向上とエンパワーメントを達成するために優先的に取り組むべき12の問題領域を特定した行動綱領は、日本の男女共同参画社会の推進にむけて大きな影響を与えました。

 

◆北京+20にむけてのこれからの行程

2014年5月 各国政府がUN Womenへ報告書を提出
2014年11月 アジア太平洋地域政府間会合(UNESCAP)にて地域単位での会合を行う
2015年3月 CSW59にてグローバルな単位での成果の見直し、課題の検証を行う


  ミレニアム開発目標の達成期限や北京+20など、来年2015年は様々な節目を迎えます。過去に取り決めたことを検証するだけでなく、その成果を若い世代へ伝え、今後の課題を見据えていくことの重要性を講師のお二方は指摘されました。KFAWとしても、さらなる情報発信を行いジェンダー平等な社会の実現に向けた活動に取り組んでいきます。


 


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