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KFAWアジア研究者ネットワーク開催セミナー

KFAWアジア研究者ネットワークセミナー 2016年度 第4回(2016年10月23日)
「家族の絆って何?―日本とインドネシアを比較して考える―」

1.日時 2016年10月23日(日)10:00~12:00
2.場所 北九州市大手町ビル5階 小セミナールーム
3.講師 疋田 京子(鹿児島県立短期大学准教授)
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講演要旨

  「結婚した夫婦とその間に生まれた子ども」からなる標準とする家族が大きく揺らいでいます。非嫡出子の法定相続分が嫡出子の二分の一とする家族法の規定に違憲判決や、離婚後の子どもの連れ去りをめぐるハーグ条約の批准、同姓婚の合法化の動きなど、特に2013年は「家族の変容」に対し「揺らぐ家族法」が注目された年でした。
  この家族法の揺らぎを最高裁判所の憲法訴訟という視点から見ると、一方で、家族の構成員の個人の尊重と権利の平等への要求に対応する憲法判断がなされるようになりました。この方向性は、今世紀に入ってからの日本の最高裁判所でも、2003年に憲法裁判所が設置されたインドネシアでも見られました。具体的には、「両親が結婚しているかどうか」で法的に子どもが差別されていることに対し、子どもの権利の保護を重視する方向性です。日本では、日本の国籍付与それ以外にも女性に対する6カ月の再婚禁止期間を100日にして「婚姻の自由」の平等を図るべきとの判決もありました。
  しかし他方では、「親が結婚しているという嫡出性」を社会に示すための装置として夫婦同氏制度を位置づけ、「家族は同氏」を理想とする家族観を重視する考え方を最高裁判所は示しました。どちらかが改姓しなければ「婚姻の自由」が保障されないこと、双方が改姓したくないカップルの婚姻の権利を要請する訴えは、「家族は同氏」によって家族の一体感を維持するために退けられました。
  婚姻夫婦からなる家族の集団を他の家族形態とは区別・重視するという方向性は、インドネシアでも見られました。インドネシアの婚姻法では、宗教上認められているかどうかによって婚姻の合法性は確定し、イスラーム教徒と非イスラーム教徒の結婚が困難です。この婚姻法制定以前は、異教徒間での婚姻も許容されていたし、個人の権利意識も目覚めて婚姻を望む人たちも増え、異教徒間の婚姻の合法化を望む憲法訴訟が起こされました。それに対し、異教徒間の婚姻は法的には禁止されていませんが「家族は同じ宗教」が理想という家族観を憲法裁判所は支持しました。
  こうした「揺らぐ家族法」に対する裁判所の憲法判断や社会的影響力の比較は、今後の日本の憲法訴訟のシステムの在り方を考える視点になりうるのではないでしょうか。

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