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KFAWアジア研究者ネットワーク開催セミナー

KFAWアジア研究者ネットワーク 2010年度 前期セミナー第2回(2010年7月27日)
「女性は政治にいつ登場するのか」「韓国女性の政治参画」

 

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KFAWアジア研究者ネットワーク 2010年度前期セミナー第2回 要旨

「女性は政治にいつ登場するのか」「韓国女性の政治参画」

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日 時  2010年7月27日(火)18:30~20:30

 

場 所  北九州市立男女共同参画センター5階 小セミナールーム

 

講 師  北九州市立大学大学院 教授  田村 慶子

 

       九州国際大学      副学長 湯淺 墾道 

 

参加者  20名

 

 KFAWアジア研究者ネットワークでは、2010年度前期に「東アジアの経済の動きと女性の政治参画」を取り上げ、計3回セミナーを開催いたします。 第二回の今回は、「女性の政治参画」をテーマに、田村先生に東南アジアの女性政治家について、湯淺先生には韓国女性の政治参画についてお話いただきました。

 

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【講演要旨】
田村慶子先生 「女性は政治にいつ登場するのか―東南アジアの女性政治家たち―」

1. 自己紹介(主要著書)

単著『シンガポールの国家建設:ナショナリズム、エスニシティ、ジェンダー』明石書店
編著『シンガポールを知るための62章』明石書店
共編著『現代アジア研究叢書1:越境』慶應義塾大学出版会
共著『現代日本の国際政治学3:地域から見た国際政治』有斐閣
共著『諸外国における政策・方針決定過程の女性の参画に関する調査:オランダ、ノルウェー、シンガポール、アメリカ』内閣府男女共同参画局

2. 女性は政治にいつ登場するのか

近代国民国家体系の整備
=戦争にどのように勝利するかと表裏一体

国家の安全保障政策
「強い軍隊を作る」=女性の二級市民化
暴力を背景とする男の世界が構築される
ジェンダー的な関心は不適切なもの
資本主義の発達=労働が公(外)と私(内)に分化し、家庭内の労働がシャドーワーク化
男性中心の公私の区別を支える思想
男らしい=文明や客観性、自立や強さ
女らしい=自然や客観性、従属性、弱さ ⇒女性政治家の不在
・「家父長制」男女間の権力関係


3. 政治に登場した女性たち

(1) フィリピン大統領 コラソン・アキノ(1933年~2009年)

砂糖大農園を有する富裕な一族に生まれる
祖父は中国系  愛称コリー
1953 NY州の大学卒業(フランス文学専攻)
     「もの静かなお姫様」メイド同居の優雅な学生生活
1954 ベニグノ・アキノ Jr.(愛称ニノイ)と結婚
      立会人は大統領マグサイサイ
     ベニグノ・アキノは新聞記者から政治家に転身
     上院議員、マルコス大統領の最大のライバルに
1980 夫の心臓バイパス手術に伴い渡米(~83年)
     ニノイは「政府批判をしない、回復後すぐ帰国」の約束を守らず、
     アメリカでマルコス大統領非難
     コリーは1男4女の母として静かな生活
1983 ニノイ帰国 空港で銃弾に倒れる
     →「ニノイ現象」 彼の死は「殉教」「殉国」物語に
     コリー 「悲劇の未亡人」として政治の場に登場
1986 第11代大統領に(~92年)


(2) インドネシア大統領 メガワティスカルノプティリ(1947年~)

インドネシア初代大統領となるスカルノの第二子
 兄、妹2人、弟がいる
1953  母は宮殿を出る(スカルノ大統領と第二夫人との結婚に反対)が、子どもたちは宮殿で育つ
     スカルノ 外遊や接客には兄とメガワティを伴う
1966  スカルノ大統領失脚
1968  空軍将校と結婚、2子誕生(夫は71年事故死)
1973  現在の夫と結婚、娘を産んで静かな生活
1986  民主党が夫妻に入党を要請
     民主党 1927年にスカルノが独立闘争のために設立した政党の流れを汲む
     「スカルノの娘が入党するにふさわしい」党
1990~ スハルト大統領への批判
1993  メガワティは民主党党首に
1997  アジア経済危機
1998  ジャカルタ騒乱、スハルト大統領退陣
2001  メガワティ、第5代大統領に(~04年7月)


(3) アウンサンスーチー(1945年~)

アウンサン(独立の父)の長女 兄2人
1947 アウンサン暗殺
1948 ビルマ独立 
    母は国会議員から60年にインド大使
    兄とスーチーもインドに
1964 スーチー、オックスフォード大学入学
1969 国連本部に勤務(~71年)
1972 結婚
    「将来国民が私を必要としたときには、私が彼らのために本分を尽くすのを手助けしてほしい」
    夫の研究を助ける静かな生活 2子誕生
1988.4 母の看病のために一時帰国
1988.8 民主化運動
       軍事クーデターでネ・ウィン政権倒れる
       スーチー 50万人を前に演説
       民主化運動の徹底的な弾圧
1990 総選挙 国民民主連盟大勝利
1991 自宅軟禁のままノーベル平和賞受賞


4. 女性は政治にいつ登場するのか

共通点
(1) 著名な政治家を夫や父に持って幼少から有名カリスマの夫や父がいなければ
    彼女らは政治の前面に登場しない
(2) 国家の変動期、革命期で、従来の制度や規範、認識を大きく変える時期
(3)「新鮮な」イメージの女性が求められる
  (1) (3)=家父長制と大いに関係
(4) 国家の変動や革命にほとんど関わっていない


家父長制を変革する女性政治家は登場するのか

男性中心主義の揺らぎ

   ・性別役割分担を前提とする近代産業社会の変容
     製造業からサービス産業への移行
      =女性の経済・社会参加を拡大させる
   ・男女の対等な関係作りに向けた国際社会の動き
   ・国際社会や国家の関心が、軍事や外交から環境、人権、人間の安全保障へ
     =女性の果たす役割の増大

環境、人権、人間の安全保障 →女性政治家登場が期待


  
湯淺懇道先生 「韓国女性の政治参画」

1. 韓国のクォータ制

 

1.1 韓国選挙法の変遷
   1995 自治体議会議席の10%比例代表導入
   2000 国会議員選挙、道議会議員選挙の比例代表政党名簿にクォータ制導入
      最低30%の女性登載を義務づけ
   2002 道議会議員選挙の比例代表政党名簿に最低50%の女性登載を義務づけ
       政治資金法により30%以上の女性候補者擁立政党に優遇措置
   2004 国会議員選挙の比例代表政党名簿に最低50%の女性登載を義務づけ
       選挙区で30%以上の女性候補者擁立努力義務、遵守政党には補助金
       4/17の総選挙では小選挙区でも30%以上の候補者が女性
   2006 最低50%の女性登載を遵守しない政党の名簿を無効化、議席没収
   2008 2008年公職選挙法改正でクォータ関係は改正なし

 

1.2 議席数の変化
 

選挙区 比例代表 合計
合計 女性(%) 合計 女性(%) 合計 女性(%)
1992

(14th)

237

1 (0.4)

62

7 (11.3)

299

8 (2.7)

1996

(15th)

237

3 (1.3)

62

7 (11.3)

299

10 (3.3)

2000

(16th)

227

5 (2.2)

46

11 (24)

273

16 (5.9)

2004

(17th)

243

10 (4.1)

56

29 (51.8)

299

39 (13.0)

2008

18th

245

14(5.7)

54

27(50)

299

41(13.7)

表 1 国会議席数の変化

(出典)湯淺墾道「クォータ制と新たな政治秩序の形成」社会文化研究所紀要63号(2009年)


ハンナラ党 11

統合民主党

12

自由先進党 2
親朴連帯 4
民主労働党 2

※韓国初の女性国務総理を務めた韓明淑は京畿道の選挙区から出馬したが、ハンナラ党の候補に敗れ落選

 表 2 第18代総選挙における政党別女性当選者数

(出典)『東亜日報』『中央日報』ほか新聞記事より作成

 

 

 

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GNP=ハンナラ党
UDP=統合民主党
LFP=自由先進党
Pro-Park=朴槿恵元ハンナラ党代表支持グループ(親朴連帯)
DLP=民主労働党


(出典)
http://ko.wikipedia.org/wiki/%EC%9C%84%ED%82%A4%EB%B0%B1%EA%B3%BC:%EC%82%AC%EB%9E%91%EB%B0%A9/2010%EB%85%84_5%EC%9B%94

 

図 1 第18代総選挙の地域別当選状況

 

道議会および広域市

市・郡

議席数

(女性の占める割合)

選挙区

比例代表

選挙区

比例代表

1991

8 (0.9)

40 (0.9)

48 (0.9)

1995

13 (1.5)

42 (43.2)

72 (1.6)

127 (2.2)

1998

14 (2.3)

27 (36.5)

56 (1.6)

97 (2.3)

2002

14 (2.3)

49 (67.1)

77 (2.2)

142 (3.2)

2006

32 (4.9)

57 (73.1)

110 (4.4)

327 (87.2)

526 (14.5)

表 3 地方議会の女性議員数の変化

(出典)湯淺墾道「クォータ制と新たな政治秩序の形成」社会文化研究所紀要63号(2009年)

 

 2.3 クォータ制導入の背景と限界
  ・2000年2月9日政党法改正案修正(賛成266、反対1、棄権8)
    議論らしい議論を経ずに可決
  ・長年の儒教的慣習 → 制度によって一気に変革
  ・大統領制
    強いリーダーシップ
    金大中政権(1998~2003)李姫鎬夫人が女性運動家
    三金時代から盧武鉉政権(2003~2008)へ 「参与政治」
  ・若い世代を中心とする男女間意識の変化(コメディ「猟奇的な彼女」)
  ・選挙以外の機会における政治参加
  ・インターネット選挙運動、落選運動
  ・日本より厳しい立候補制限


    公職選挙法

第53条  公務員等の立候補
次の各号のいずれかに該当する者として候補者となろうとする者は選挙日前90日までその職を辞しなければならない。ただし、大統領選挙と国会議員選挙において国会議員がその職にいながら立候補する場合と地方議会議員選挙と地方自治団体の長の選挙において当該地方自治団体の議会議員及び長がその職にいながら立候補する場合を除く。

1.「国家公務員法」第2条(公務員の区分)に規定された国家公務員と「地方公務員法」第2条(公務員の区分)に規定された地方公務員、ただし、「政党法」第22条(発起人及び党員の資格)第1項第1号但し書きの規定により政党の党員になり得る公務員(政務職公務員を除く)はそうではない。
2.各級選挙管理委員会委員又は教育委員会の教育委員
3.他の法令の規定により公務員の身分を持つ者
4.「公共機関の運営に関する法律」第4条第1項第3号に該当する機関の中で政府が100分の50以上の持ち分を持っている機関(韓国銀行を含む)の常勤役員
5.「農業協同組合法」・「水産業協同組合法」・「森林組合法」・「葉煙草生産協同組合法」により設立された組合の常勤役員とそれら組合の中央会長
6.「地方公企業法」第2条(適用範囲)に規定された地方公社と地方公団の常勤役員
7.「政党法」第22条第1項第2号の規定により政党の党員になれない私立学校の教員
8.大統領令に定める言論人
9.特別法により設立された国民運動団体で国家又は地方自治団体の出損又は補助を受ける団体(正しく生きる運動協議会・新しい町づくり運動協議会・韓国自由総連盟をいい、市・道組織及び区・市・郡組織をいう)の代表者
2 第1項本文にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合には候補者登録申請前までその職を辞しなければならない。
1.比例代表国会議員選挙又は比例代表地方議会議員選挙に立候補する場合
2.補欠選挙等に立候補する場合
3.国会議員が地方自治団体の長の選挙に立候補する場合
4.地方議会議員が他の地方自治団体の議会議員又は長の選挙に立候補する場合
3 第1項但し書きにかかわらず、比例代表国会議員が選挙区地方議会議員の補欠選挙等に立候補する場合には候補者登録申請前までその職を辞しなければならない。
4 第1項から第3項までの規定を適用する場合、その所属機関の長又は所属委員会に辞職願いが届いたときにその職を辞したものとみなす。
5 第1項及び第2項にもかかわらず、地方自治団体の長は選挙区域が当該地方自治団体の管轄区域と同一かまたがる選挙区国会議員選挙に立候補しようとするときには当該選挙の選挙日前120日までその職を辞しなければならない。ただし、その地方自治団体の長が任期が満了した後にその任期満了日から90日後に実施される選挙区国会議員選挙に立候補しようとする場合を除く。


・政党予備選挙
公職選挙法

第57条の2  党内公選の実施
①政党は公職選挙候補者を推薦するために公選(以下「党内公選」という)を実施することができる。
②政党が党内公選[党内公選の候補者で登載された者(以下「公選候補者」という)を対象に政党の党則・党規又は公選候補者間の書面合意によって実施された党内公選を代替する世論調査を含む]を実施する場合、公選候補者として当該政党の候補者に選出されなかった者は当該選挙の同じ選挙区では候補者として登録することができない。ただし、候補者に選出された者が辞退・死亡・被選挙権の喪失又は党籍の離脱・変更等でその資格を喪失した時にはそうではない。
③「政党法」第22条(発起人及び党員の資格)の規定により党員になれない者は党内公選の選挙人になれない。

第57条の3  党内公選運動
政党が党員と党員でない者に投票権を与え実施する党内公選においては、次の各号のいずれかに該当する方法以外の方法で公選運動をすることはできない。
1.第60条の3(予備候補者等の選挙運動)第1項第1号乃至第3号の規定による方法
2.政党が公認候補者が作成した1種の広報物(以下この条において「公選広報物」という)を1回に限って発送する方法
3.政党が合同演説会又は合同討論会を屋内で開催する方法(公選候補者が中央選挙管理委員会規則に定めるところによりその開催場所に公選候補者の広報に必要な垂れ幕等施設物を設置・掲示する方法を含む)
2 政党が第1項第2号又は第3号の規定による方法で公選広報物を発送したり合同演説会又は合同討論会を開催するときには当該選挙の管轄選挙区選挙管理委員会に申告しなければならない。
3 第1項の規定に違反する公選運動に所要される費用は第119条(選挙費用等の定義)の規定による選挙費用とみなす。
4 第1項第2号の公選広報物の作成及び第2項の申告その他必要な事項は中央選挙管理員会規則で定める。

・限界
 選挙区は依然として努力義務
 候補者擁立過程:予備選挙と派閥
 女性候補者自身:組織力、資金力
 比例区から選挙区への転出
 第18代総選挙:制度的増加策の限界を示す?

 

3. 日本の実情

3.1 女性が躍進した選挙

第1回目 1946年4月10日に施行された衆議院議員選挙

初めて女性の選挙権と被選挙権が認められた選挙(日本国憲法施行前)
466人の当選者のうち、女性議員は39名(8.4%)当選した女性議員の平均年齢は46歳で、そのうち約半数は職業を無職と届け出(日本初の女性国会議員の約半数は、フルタイムの仕事をもたない主婦)

第2回目は、1989年7月23日施行の参議院議員選挙

土井たか子委員長、日本社会党「マドンナ旋風」

第3回目 2005年9月11日に施行された衆議院議員選挙

小泉純一郎、「郵政選挙」
国営である郵便事業を民営化する法案が参議院で与党内の反対派議員によって否決、衆議院の解散という内閣の権限を行使
反対派議員の選挙区に「刺客」新人立候補者、「小泉チルドレン」

第4回 2007年7月29日に施行された参議院議員選挙

 民主党の躍進、参議院でねじれを実現
 政権交代が具体的視野に

第5回 2009年8月30日に施行された衆議院議員選挙

 民主党の大躍進、政権交代を実現
 選挙区:民主党の女性パワーで大物自民党議員が落選、「小沢ガールズ」

※2010年7月11日施行の参議院選挙
 民主党苦戦 → 女性も苦戦

 

3.3 日本の女性国会議員が他の国々と比較して少ない理由

政治文化
  男女共同参画に対する最近の政治的バックラッシュ現象、性別役割分業意識
  「世襲」議員(田中真紀子、小渕優子議員は例外的)
男女間の社会経済的格差
  一般に、国会議員は高学歴

大学進学率は男女格差が存在、女性の大学進学率は男性よりも低い
国会議員は行政官僚、実業家、労働組合幹部、医師などの職業の出身者が多いが、これらの職業につくのは現時点では男性のほうが多い
出産と育児による女性の社会的キャリア中断

制度的問題

日本の国会議員選挙のうち、衆議院議員選挙は1946年の選挙を除いて、1993年に政治改革が行われるまで長らく「中選挙区制」とよばれる大選挙区単記非移譲式(3-5 Members Single Non-Transferable Vote)によって施行
単記非移譲式投票制度の下では、有権者は1票しか投票できないので、政党の候補者の数は限定され、女性が候補者として選定される可能性が低下
1946年の衆議院議員選挙において39名の女性議員が当選した理由の一つは、このときの選挙が大選挙区2名連記制だったため(?)

 

3.3 クォータ制導入の日韓比較

韓国
   憲法問題に関する本格的な議論なし
   良くも悪くも大統領のリーダーシップ
憲法

第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
第44条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

政治文化

蟹は己の姿に似せて穴を掘る → 議会における女性の割合の少なさは、結局、わが国の男女共同参画に関する意識の現状の投影
韓国の地方自治そのものについても、軍事政権・権威主義体制の下での政治勢力が、地方議会選挙等の民主的な手続を通じて自らの存在を正統化したに過ぎないという評価 → 地方自治の定着に伴い、変容する可能性
予備選挙の導入、党内民主化 → 拘束名簿式は利益誘導政治、党内ボスの支配力が強まるだけ(?)

 

【質疑応答】
・タレント議員、世襲議員は韓国にもいるのか。

―タレント議員については日本ほど多くはないが、韓国にもいる。女優出身の議員もいる。
 世襲議員については、韓国にも存在するが、日本ほど多くはない。

・クォータ制度について、日本で進んでいない状況についてご意見をお聞きしたい。

―3つの原因があると考えている。1つは、女性の法学者が少ないこと。女性の大学教授は増えてきたが、法学部の女性の教員は少ないままである。2つめは憲法解釈と司法審査の問題。三権分立の構造の中で、最高裁は司法行政権の一部を担っており、最高裁は政治的問題の判断を避けたがる傾向がある。3つめは、選挙で示された民意という意識に重きが置かれすぎていること。今の議員の男女構成は選挙の結果、民意の表れであるという意識が強すぎ、制度改革に弾みが付かない。

・日本では、政治への関心が低い女性が多いように感じる。諸外国の女性自身の政治への関心について教えてほしい。

―内閣府で、近年、女性議員が非常に増えている、もしくは男女の収入格差が急激に縮まっている8カ国(この中にはクォータ制がある国、ない国を含む。)に関してその原因の調査が行われた。クォータ制がない国は、国家の関心が環境、人権、弱者へ視線などに向いたため、女性議員が増えていた。(ノルウェーなど。)数ある1つの要因と考えられる。

・人権・環境・弱者への配慮などへの国家の関心が女性に政治的参画を進めるとの考え方は興味深いが、「経済発展」に大きな関心をおいてきた日本やシンガポールなどについてはどう考えられるだろうか?

―シンガポールでは、急速な経済成長が進む前、女性議員は少なかった。しかし、経済が発展していくにつれ、世界の関心がシンガポールへ向き、またシンガポール政府の関心も子育て、環境などへ向いていった。

―政治への興味をかきたてる時期には2つの説がある。1つは子どもの頃に決まる、もう1つは20歳ぐらいの大人になってから決まるというもの。また、日本人の政治への関心は、職業に密接な関係がある。たとえば、フルタイムの仕事から離れる60歳代から投票率は下がっていく。日本で政治への関心が低い女性が多いのは、フルタイムの仕事を持つ女性の割合と関係しているかもしれない。

 

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